初志貫徹する友の生き方に元気をもらう
先日、昔一緒にバンドをしていた友から久しぶりに連絡がありました。
今も精力的に音楽活動を続け、3枚目のオリジナルアルバムをリリースするとのことです。14年前と変わらぬ熱い思いに嬉しくなりました。
14年も経ったのか…。
その頃の私は音楽で食べて行きたいと強く思っており、長髪で定職に就かないフリーターです。
その友とは、JUDAS PRIEST(ジューダス・プリースト)というイギリスの元祖ヘビィメタルバンドのコピーやパンテラというバンドのコピーを一緒にやっていました。
私はへその下まで伸ばした髪の毛を振り乱してギターを掻き鳴らし、ヘッドバンギングしていたものです。(ヘッドバンギングとはハードロックやヘビィメタル等の音楽でリズムに合わせて頭を激しく振る動作のことです)
JUDAS PRIEST(ジューダス・プリースト)がアルバム「ANGEL OF RETRIBUTION」(エンジェル・オブ・レトリビューション)を発売した2005年のワールドツアー来日公演を観に、一緒に福岡まで行ったこともありましたね。
交代で車を運転して、高速のインターを通り過ぎて少し(ほんの少し)バックしたり・・・(苦笑)。
その後、紆余曲折あって私は現在に至りますが、その友は安定した未来よりも、自分の好きなことをやり通すという、いわば信念を貫き通しています。
若い頃は将来の展望なんてなくても、「なんとかなるさ」と変な自信を持っていましたが、同年代が結婚したり、ある程度の歳を重ねるにつれて経済性や社会性の側面から安定した生活を求めてしまうものです。
私も将来に不安がありました。
先日のライブの際に、「メンバーに同年代がいなくて…」と嘆きつつも、定職に就いて約束された未来を得るよりも、自分の好きなことを生業にしたいと「初志貫徹」している友を私はすごいと思います。
その友は、「BURRN!」(バーン)というハードロック、ヘビィメタル専門雑誌に売り込むと言っていましたが、実際に以前に発表したアルバムは「BURRN!」のレコードレビューのページに掲載されていました。
私のような外国のハードロックやヘビィメタルを愛する人間にとって、「BURRN!」は教科書のような存在です。雲の上の存在であるミュージシャンやロックスターの音楽性、ヒストリー、自己主張の象徴であるファッションを知るバイブルです。
友の今なお変わらぬ熱い魂に元気をもらうとともに、自分の生き方には考えさせられることもあります…。
私はバンド活動を辞めて定職に就いたことで経済的に安定した生活を送ることはできていますが、代わりにギターを手にする時間がめっきり減り、昔のバンド仲間と疎遠になったり、音楽情報にうとくなったり、「生きがい」を無くしてしまったような喪失感を多少なりと感じています。
信念を貫くって簡単に言葉にできますが、実際はとても難しいことです。私は自分らしさを失う喪失感よりも安定した生活を選びました。
もちろん、配偶者の有無や目的、職業など立場によって変わってきますが、初志貫徹するということは時には何かを犠牲にしないといけないこともあります。
同年代のバンドマンが離脱していっても信念を貫き初志貫徹している友。だからこそ、もっともっと成功して欲しいし、ライブに行き頑張っている姿を見るとそのぶん元気をもらえる。
マズローの欲求5段階説の頂点である「自己実現」に向かって突き進み、「初志貫徹」する。私はそんな友(仲間)を羨ましく思うとともに誇らしく思う。
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