弘法大師ゆかりの地。杖ノ淵公園は遊具あり、水遊びや鯉の餌やりもできる日本庭園
弘法大師といえばまず聞いたことがない人はいないのではないかというくらい有名なお坊さんではないでしょうか。
私も、『空海』という名で社会あるいは歴史の授業の中で学びました。真言宗の開祖であるそうですね。
弘法大師とは生前の功績に対する諡(おくりな)だそうです。
弘法大師ゆかりの寺院としては四国八十八箇所(通称:お遍路さん)が有名で、愛媛県には最多の26の寺院(霊場)があります。
この杖ノ淵公園は、四国八十八箇所の霊場のうち、第四十八番札所『西林寺』(さいりんじ)から徒歩数分といった場所にある、弘法大師ゆかりの公園であり、西林寺の奥の院(おくのいん)でもあります。
杖ノ淵公園は日本庭園
訪問時は土曜日。午前10時頃に到着しましたがすでに駐車場の半分が車で埋まっています。そしてその後も次から次へ来園者が訪れていました。
公園の入場門をくぐると桜がキレイに花を咲かせています。
花見で訪れていた人も多く、芝生広場でレジャーシートを広げ、春の風物詩である桜を楽しむ姿もありました。
百花開水郷…。百の花が花開く 水の郷(さと)というニュアンスでしょうか?
聞いたことがない言葉ですが、多くの花が咲く水の景勝地であることに違いはありません。
この文字が刻まれた目の前には親水広場があり、湧水が流れ、夏には清涼感を与えてくれます。杖ノ淵公園は街区公園として昭和45年4月1日に整備されたそうです。
街区公園とは、主として街区に居住する人の利用を目的とした公園で、誘致距離250mの範囲内で1箇所当たり面積0.25㌶を標準とする。
引用参考文献:松山市ホームページ 公園の種類
園内には、梅(コウバイ)、桜(ソメイヨシノ)にツツジ、椿などたくさんの木々が花を咲かせています。
また、要所に柳や竹、モミジ、ケヤキ、ハイビャクシン、クロマツ、サルスベリ等の樹木が植えられており、水と緑の豊かさを感じることができます。
樹木にはノムラモミジ、イロハモミジ等のネームプレートがかかっているため、木に詳しくない私も何の木か知ることができました。
園内を清らかに流れる水辺を飛び石で渡ったり、風情ある木橋に東屋もあり、四季折々の草木の変化など立派な日本庭園を楽しむことができます。
弘法大師の銅像を囲む湧水の池
この杖ノ淵公園の名前の由来は弘法大師が杖を突くと湧水が出てきたというものです。
その昔、弘法大師が空海と呼ばれていた時代、この地を旅していると干魃(かんばつ)に苦しむ住民の姿があり、干魃から住民を救うため手にしていた杖を突き立てると湧水が出てきたというのです。
この銅像を見ているとその光景がなんとなく創造できますね。
杖ノ淵公園は環境庁により、1985年(昭和60年)に名水百選に選定されています。池のそばの巨石には愛媛生まれの俳人正岡子規の詠んだ句も刻まれていました。この句は正岡子規の句集『寒山落木』に掲載されているそうです。
句の中にある「ていれぎ」とは松山市指定の天然記念物(昭和37年指定)です。学名オオバタネツケバナと呼ばれるアブラナ科タネツケバナ属の多年草です。大葉種漬花(オオバタネツケバナ)と書くそうです。池や川辺に自生するもので、ここ杖ノ淵公園で見ることができます。
大葉種漬花はなんと食べることができる花で、刺身のツマとして古来よりこの地方の特産品として有名だそうです!知らなかった…。
ちなみに、すぐそばには俳句ポストが置いてあります。杖ノ淵公園で四季の句を詠んで投函してみるのも良いかもしれませんね。
池の中では鯉やカルガモが優雅に泳ぐ
湧水の池には鯉にメダカにカルガモ、アヒル?が優雅に泳いでいます。メダカがいるということからも水の清らかさがわかります。どうでしょう、水がとても澄んでいると思いませんか?池の中には金色、朱色、橙色、黒色に白色、まだら模様と彩とりどり、大小様々な鯉がいます。
水深の深いところは大人もすっぽり沈んでしまうほど。水草の森を泳ぐ鯉の姿は見ていて心癒されます。
こちらはカルガモの親子達。のんびりとした見た目に反して泳ぐのが速くて驚かされました!
この池の鯉には、杖ノ淵公園内にある管理棟で餌(えさ)を買うことで餌やり体験ができます。平日でも餌やりを楽しむ親子連れは多く、お腹がいっぱいになった鯉たちはなかなか餌を食べてくれません(-_-;)。
鯉の餌やりはお早めに!1袋100円で、十分な量の餌が買えます。
子どもの遊びと自然観察に最高の環境
この杖ノ淵公園は日本庭園と遊具のある公園が一つになっています。庭園を抜けると、子供広場が見えてきます。
子供広場にはブランコ、滑り台、砂場、シーソー、うんてい(モンキーバー)、ジャングルジムといったように子どもが喜ぶ遊具が数多くあり、土日はいつも多くの家族連れでにぎわっています。遊具の多さは松山市内の公園ではトップクラスではないでしょうか。
子供広場の端にはコカ・コーラの自動販売機が1台ありましたが、暑い日には売り切れ注意?ですね!
下の水辺は夏場に水遊びをする子ども達でにぎわいます。
芝生広場にはタンポポやクローバーが咲き、親水広場では水遊びを楽しめ、鯉やカモに餌やりも楽しめる。樹木も数多く遊びと自然観察学習に最適な、日本庭園を擁する公園です。
補足とまとめ
- 自動販売機は1台しかありませんが、数百メートル内の近郊に飲食店やコンビニ、お弁当屋さん等多くあり、飲食物には困りません。
- 園内バリアフリーではありませんが、車いすでもだいたいの場所は通行できるため園内の雰囲気を楽しむことができると思います。ただ、トイレは一般の和式トイレしか確認できませんでした。
- 駐車場の1台1台のスペースが狭く、自家用車が数台ある場合は小さい車で出かけるほうが無難かもしれません。
- 駐車場入り口にもっとも近い(道路側一番端)に駐車する時は注意が必要で、車高の高い車ではサイドミラーに写らない高さにコンクリートの壁があります。
Rikky
私は数年前、帰り際でサイドミラーに写らないコンクリートの壁があることを忘れていて思わず車をぶつけてしまいました。
<まとめ>
杖ノ淵公園は入園無料で風情ある日本庭園を堪能できます。
大人は草花や樹木の鑑賞を楽しみ、子どもは遊具や水遊び、鯉やカルガモの餌やり体験を楽しむことができる、家族みんなで楽しめる素晴らしい公共施設であると思います。
お弁当持参なら半日は十分に楽しめますね!ただ、人気が高いスポットだけに駐車場がすぐに一杯になってしまうので注意が必要です!
私が帰宅したお昼時には満車となり、駐車場で車に乗ったまま空きができるのを待っている人がいたくらいです。
春は花見、夏は水遊び、秋は紅葉、冬は雪景色と季節の変化を楽しみに訪れてはいかがでしょうか?弘法大師にまつわる故事の勉強にもなる、水と緑豊かなおすすめスポットでした!
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