俳人、正岡子規について学ぶなら子規記念博物館へ
道後公園駐車場(有料)に車を止め歩くこと約5分。
道中には国史跡「湯築城跡」が。昔はここに動物園があったんですよ!私も知らないけど(^^;。昭和62年に閉園した、道後動物園があったそうです!
そして1年後に現在の砥部町に皆さんご存知の砥部動物園として開園したのです!
それはさておき、皆さんも子供の頃に正岡子規って習いましたよね!「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」。
これは生涯に万を越える数の俳句を詠んだ正岡子規の俳句の中で一番皆さんに知られているのじゃないでしょうか。というか、無知な私は正岡子規と聞いてこの句以外が思い浮かびません(^^;。そうこうしていると「子規記念博物館」が見えてきます。
では、子規記念博物館に行って来たので記事にしました。ご覧下さい。
「子規記念博物館」とは
俳句王国愛媛誕生の礎を築いた、地元松山市生まれの偉人、正岡子規を称え作られたのが「子規記念博物館」です。正岡子規という偉人の生い立ちから最期の時まで、膨大な資料で知ることができます。子規記念博物館に所蔵されている正岡子規にゆかりのある資料の数はなんと6万点近くにものぼるそうです!!
外観には「白梅の 白きを以て(もって) 強きかな」と、まさに梅の咲く今にぴったりの句が飾られています。これは白梅が力強く、白く咲き誇る様を詠んだ句だそうです。
博物館前の石碑には歌も刻まれています。
俳句王国愛媛?
よく俳句王国愛媛という言葉を耳にしますが(私だけ?)、俳句王国と言われても、地元愛媛に住んでいる人にはあまり実感がないかもしれませんね!私も実感がありません。なので調べてみました。
どうやら、1991年に愛媛県の松山市NHKが「俳句王国」というタイトルの文芸番組の放送を開始したことに起因してそうです。現在も「俳句王国がゆく」と名を変えて放送されています。また、有名な俳人、夏井いつきさんも愛媛県のご出身ですね。
小中学校で学ぶ正岡子規のゆかりの地であり、正岡子規が多くの句を残した地であること、俳句王国という文芸番組の存在、また俳句人口の多さなどから俳句王国愛媛と言われているようですね。
「子規記念博物館」の様子
まず個人的な第一印象…。「でっかい」。これが率直な第一印象です。そしてそれは実際に入館すると体感できます。
1階フロアまでは無料で観覧できます。館内にはミュージアムショップやレストランも併設されているので、昼食を挟んでの観覧や正岡子規にまつわるお土産を買うこともできます。
1階フロア エントランス
写真には階段しか写っていませんが、館内にはエレベーターもあります。
2階で入館料を支払いますが、貴重な資料等あり、以降は撮影okの場所以外では写真撮影やビデオ撮影は禁止されていました。
常設展示は2階フロアと3階フロアに渡って行われ、4階フロアでは企画展などのイベント展示が行われています。
館内にはエレベーターがあり、車椅子や杖を使用している方でも観覧可能となっています。
2階フロアを展示の始まりから終わりまで見て回ると、3階フロアへ上がる階段があり、「杖や車椅子をご使用の方はお待ち下さい、職員が駆けつけます」といった内容の張り紙と押しボタンがあります。
そばには休憩用の椅子も用意されていましたが、職員の方が駆けつけてくださり、エレベーターまで介助してくれるのでしょうか。
(杖や車椅子の方は一旦、2階フロアの入り口に戻ってからエレベーターで3階に上がる必要があります)
常設展示の内容は大まかに3つのテーマに分かれている
- 道後・松山の歴史
- 子規とその時代
- 子規のめざした世界
まず初めに地元松山や道後温泉の歴史、成り立ちについて展示で学ぶことができます。
道後温泉が伊予の湯と呼ばれていた時代、聖徳太子が訪れたことや愛媛県歴史文化博物館のアニメーションでもお馴染みの豪族、河野氏が伊予の国で活躍していた時代など松山の歴史と道後温泉について深く学べます!
次に「子規とその時代」と「子規のめざした世界」では、正岡子規の生誕から新聞記者時代、夏目漱石とともに松山で暮らした52日間、そして最後の時まで、正岡子規の生涯に渡る膨大な展示内容で詳細に記されています。
写真や再建された愚陀仏庵でわかりやすく、遊び心ある展示!
正岡子規にまつわる展示では写真や人形、子規の従軍かばんなどを交えて展示されており、当時の時代背景などわかりやすい!
「のぼーる」のペンネームでも知られる正岡子規ですが、子規とベースボールについて紹介している展示もあります。貴重なユニフォーム姿の写真も展示されています!
俳句をつくろう!
「俳句をつくろう」のコーナーではパソコンを使って自分の俳句を打ち込み、短冊へ印刷して持ち帰ることができます。
私は春にちなんだ句を一句作って帰りました(^^)。
来館記念スタンプを押せる場所もありました。
タッチパネルを操作するスクリーン展示や、壁に触れると反応して文字が浮かび上がる展示もあります。
再現された愚陀仏庵
3階フロアには正岡子規と夏目漱石が過ごした、「愚陀仏庵」が再現されており、記念撮影用のプロジェクターがあります。道後温泉や松山城など、好きな背景をいくつか選択可能になっています。
どうやら、画像中央の柱の横に並んで記念撮影をするようです。再現された愚陀仏庵は実際に建物の上にあがることもできました。正岡子規と夏目漱石が一緒に愚陀仏庵で過ごした姿を想像してしまいますね(^-^)。二人の間ではどのような会話が行われていたのでしょうか…。
子規博ガイドシートで帰ってからも学べる
館内には「子規博ガイドシート」という両面の紙シートが至るところに置いてあります。「自由にお取りください」と記されており、内容は展示にまつわるものであり、家に帰ってからも学ぶことができます。イラストや写真を交えてとても読みやすく作られています。子どもから大人まで楽しく学べますね!
鳴いて血を吐くホトトギス
「鳴いて血を吐くホトトギス」という言葉がありますが、この意味を持つ「子規」という言葉から、正岡子規は自らを「子規」と名乗ったそうです。
ホトトギスという鳥は鳴く時に口の中を真っ赤にして鳴くそうで、これが血を流しているように見えるそうです。正岡子規は、このホトトギスが鳴く様を結核に冒され喀血で血を吐く自分の姿と重ねたのですね…。
館内の展示にもありましたが、正岡子規は数多くのペンネームを持ち、最も長く使われた名がこの「子規」だそうです。
多彩なイベントあり
来館時、愛媛県西予市にある「ギャラリーしろかわ」の共催イベントとして、「子規の俳句とかまぼこ板の絵」展が開催されていました。
「かまぼこ板の絵」というのは、かまぼこ板を縦に使ったり、横に使ったり、2枚、3枚と並べて面積を広げたりして絵を描く、一種のキャンバスです。
正岡子規の俳句に合わせ、かまぼこ板に描かれた絵はどれも見事でした。個人の作品なので写真撮影はしていませんが、小学生からご高齢の方の作品まで、細い板の中に芸術を散りばめられていました!
子規記念博物館ではこの他にも、ゲストを招いたイベントや「子規顕彰全国俳句大会」といったイベントも開催されています。
まとめ
思った以上に広い館内は、地元で誕生し、地元で療養し亡くなった偉人だけに収蔵物も多く、全てに真剣に目を通し学んでいくと丸1日がかりになるほどの展示内容です!じっくり勉強したい方、正岡子規について深く学びたい方は自分のペースでひとつひとつの展示作品を見て回れるため、一人で行ってみるのも良いと思います。
また、俳句王国愛媛、正岡子規にまつわる記念館だから俳句の勉強に!と思う方もおられると思います。もちろん各所で正岡子規の句を見ることもありますが、子規記念博物館は正岡子規の生涯をメインに作られた博物館であると思って来館したほうが良いかもしれませんね。
展示内容は、パソコンを使ってオリジナルの句を短冊に印刷できたり、「見て」「触れて」「考えながら」学ぶことができます!ただ単に展示品を閲覧するのではないので飽きません!
最後に、県外から愛媛に来られる方には是非とも道後温泉とともに、この「子規記念博物館」にもお越しいただき、「素晴らしい文学に触れていただきたい」、そう思える博物館でした。
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